日本人なら覚醒するはず。海難1890は日本人が観るべき映画。田中監督の講演を聴いての感想など

エルトゥールル号海難事故の話って知ってますか?そして、テヘランでのトルコによる邦人救出の話

1890年、和歌山県の串本沖でトルコのエルトゥールル号が台風に巻き込まれ座礁し遭難。トルコ人600人ほどの乗組員のうち500人以上の人が亡くなり、69人が助かった実際にあった海難事故の話です。

串本の人たちは命を懸けてエルトゥールル号の乗組員を助ける。そしてその95年後にテヘランでサダムフセインの空爆が始まるというとき、日本政府は現地邦人の救出ができず、トルコは自国の国民がテヘランに残されているにもかかわらず日本人に救援機の席を譲る。この両方の話、正直そんなにぼくは知りませんでした。

そのエルトゥールル号の海難事故と1985年のテヘランでの邦人救出の話を描いた映画「海難1890」の田中光敏監督の講演を幸運にも聞く機会がありました。

すでに映画を観てこれは絶対に日本人が見るべき映画だと思ったのですが、さらに監督の話を聞いてこの海難1890を多くの人に観てもらい日本人のDNAの中に残るまごころとかを覚醒させてほしいなと切に思い、このブログ記事を書きます。

キーワードは、まごころです。

海難1890の田中監督の講演を聞きに行きました

目の前で困っている人がいたら助ける

その当たり前のことをしただけ。

田中監督が串本などで現地のひとたちにおじいちゃんやおばあちゃんからどういう風に伝えられているかというのを取材したそうです。その時にみんなが言うこと。それは「目の前で困っている人がいたら助ける。その当たり前のことをしただけ」だって聞いているそうです。

このエルトゥールル号の事故の4年前、ノルマントン号事故があり、ノルマントン号事件で日本人や中国人の船員は鍵をかけられたところに閉じ込められ、イギリス人などだけが救出されたということがあり、もう救出したりしないでおこうというような話にもなったそうです。それでもエルトゥールル号が座礁し遭難してトルコの人たちが困っているから助ける。それが当たり前だから。

その心が今でも串本には残っているということで、田中監督がこんなエピソードをお話しくださいました。

トルコ人が歩いていたら車に乗れとジェスチャー

この海難1890の撮影で多くのトルコ人が串本などに来ていたわけですが、やはり無駄な出費はしたくないということで、歩いて宿泊しているホテルから買い物に出かけていたそうです。

買い物を終えて帰ろうとすると道に迷ってしまい、トルコ人の人たちは串本などの町の中を歩いていたら、地元の人が車で通りかかると後ろに乗れという感じでジェスチャーをするそうです。街の人たちも、この海難1890の撮影をしているのは知っているので、トルコ人が困っているっぽいと日本語は通じないからジェスチャーで車の後ろに乗れって言って、そして車に乗ると宿舎であるホテルに無事に送り届けられる。

そんな光景がこの撮影での日常の中にあったそうです。

「困っている人がいたら助ける」

そんなまごころが串本では当たり前のように今も受け継がれているんですね。

トルコではエルトゥールル号のことが教科書に載っている

トルコではこのエルトゥールル号海難事故のことが教科書に載っていて学校で教えるそうです。学校で教えているからトルコ人に日本へ行ってみたいか?と聞くと9割ぐらいの人たちが日本に行ってみたいと言うぐらい、トルコは親日国です。そんな親日国のトルコですが、1985年、サダムフセインがイラク上空を飛ぶ飛行機を無差別に攻撃するという宣言があり、一斉にいろんな国の人たちがテヘランから脱出をしようとします。もちろん日本人も。

日本政府は日本人を助けられなかった

日本政府はテヘランにいる日本人が脱出するために民間航空機はもちろん、自衛隊の派遣も何もできなかったんですね。トルコの飛行機が最後の脱出できる便であるということを知ると、何とかトルコの飛行機に日本人を乗せれないかと日本政府からトルコ政府にお願いするわけです。日本から要請を受けたトルコのオザル首相は反対する声もあるものの、日本人を救出しようと決めるわけです。

しかし、テヘランの空港ではトルコ人が最後の飛行機のチケットを求めてあふれかえっている。そこでトルコ大使館の職員ムラトがこう言うのです。

「今、絶望に陥っているこの日本人を助けられるのはあなたたちだけです。決めるのは、あなたの心だ」と。その言葉を聞いたトルコ人たちは、かつて日本人が示してくれた真心を思い出していく……。

海難1890公式サイトより http://www.kainan1890.jp/story/index.html

そしてゲートまでの道を空け、日本人を送り出すのです。

まごころは死語になっているのか?

この海難1890での日本とトルコとの根幹にある言葉って何かというのを、田中監督が脚本の小松江里子さんと話していたそうです。「まごころ」という言葉が出てくるけども、日常ではこのまごころという言葉が使われず、今の社会の中では死語になっているんじゃないのか?って話になったそうです。

でも、この「まごころ」という言葉をもう一度、直球でこの映画で日本の社会に届けようと思ったそうです。

今の日本に必要な映画じゃないですかね?

今の日本って安保であったり、原発問題であったり、いろいろな課題があるかと思います。テヘランの邦人救出ができなかったというのも、日本人を救うために国会議員が集まって救出しようって思えばできたんじゃないですかね?無理に憲法解釈を変えたりしてってことでもやろうとしてるんですから。いまの日本人(とくに日本を動かしているひとたち)に足りないものって、田中監督が言っているように「まごころ」が死語になってしまっているというところに現れているんじゃないかと思います。

ぜひともこの海難1890で日本人の昔からの心を覚醒させてほしい

まごころという言葉を死語にしないため、そして多分、日本の将来のためにもこの串本の人たちのようにまごころを多くの日本人に覚醒してほしいなって思うのです。

Twitterでもこの海難1890を観て欲しいという投稿としています。

エンドロールが始まっても帰らないで!

最後の最後にすごくいいメッセージが入っています。エンドロールが始まると席をお立ちになる人も結構いますが、このエンドロールの後にメッセージがはいっています。ぜひともこのメッセージも観て欲しいと思います。そして日本人としての誇りなどを感じてもらえるといいんじゃないかなと思います。

福井での田中監督の講演はぼくは参加して本当に良かったと思いました。運営に携わっていたスタッフのみなさんとその中心的な人であるわにぶちさん、そしてこの映画を観て、さらにその秘話などをお話しいただいた田中監督に感謝します。

最後になりますが、よかったらぜひみなさんも海難1890を観て、お友達にもおすすめしていただいて多くの日本人に観てもらいたいと思います。

もちろんこのブログのシェアも歓迎です。

Follow me!